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鉄道小バザール






鉄道小バザール

「鉄道小バザール」とは、サラリーマンによる海外鉄道旅行の記録集です。



 マチュピチュ遺跡へ向かうには必ずお世話になる鉄道です。現在、マチュピチュへの鉄道は3つの会社が運営しています。そのうち、クスコ近郊のポロイ発着はペルーレイルのみ。以前はクスコ市街から発着していました。

初掲載:2012年12月 Last Update:2020年7月

         



8/24 Poroy(ポロイ)09:05  Machupicchu 12:24  ハイラムビンガム号:A-1  349USD
8/25 Machupicchu 15:20  Poroy 18:50  ビスタドーム号:B-43   75USD
距離:93q 標高差:1448m 1USD=78.5JPY(クレジットカードレート)



8月24日

深夜にリマ到着


 LA発のLA601便で深夜にリマ・シャベス空港に到着しました。羽田・サンフランシスコ・LAと乗り継ぎ、やっとの到着です。
 ネットの記事を読むと物騒な記載が多かったのですが、空港ビルおよびその周辺は思ったよりも安全でした(煙草を吸うため何度も空港外に出たので実証済み)。

  早朝のクスコ行きの飛行機に乗るため、久々に「空港寝」を試みることにしました。たかが4時間程度のために2万円近くかかる空港近くのホテルに泊まるのはもったいない。
 「空港寝」を考える旅行者は多いのでは、と思っていたら、案の定、いました。彼らに紛れ、横になることにしよう。

朝焼けのアンデス山脈をひとっ飛び


 5時25分発のLA2015便でクスコへ向かいます。
 お菓子の詰め合わせのような機内食が出てきたので、2分で食いらげる。ちなみに、戻りの機内食も全く同じだった。1時間20分程度なら、こんなものか。でも、眼下の景色はなかなかのものでした。
(注:この写真は帰路の写真
お菓子のような機内食


クスコは荷物のドロップオフのみ

ポロイ駅へ向かう途中 ポロイ駅

 翌日宿泊予定のホテルにタクシーで向かいます。ホテルに荷物を預け、ロビーでコカ茶を飲んで少し休憩の後、タクシーで30分ほどかけてポロイ駅へ(写真は、ポロイに向かう道すがらのショット。時折、線路が見える)。




往路は豪華車両のハイラムビンガム号

ハイラムビンガム号ハイラムビンガム号室内
 
 時間の都合でハイラムビンガム号に乗り込みます。リマを朝に発ち、当日中にポロイ駅を出発できる列車は、調べたところ、これのみ。高かったが仕方ない。349USD(当時のレートで28,753円)するだけに豪華な車両です。客を乗せる車両は1両のみで、機関車+キッチン車両兼荷物車両(?)+客車+展望車の4両編成だった。

賑やかな出発前セレモニー


 出発前にはシャンパンが駅で振る舞われ、ホームでは民族舞踊が行われました。

 ちなみにポロイ駅の標高3,486メートルで、クスコ市街より高所になります。
 クスコ発だと、直後にスイッチバックで上りの連続となるはずだが、それはポロイ発では叶わない。おそらく、クスコ市内からの発着は当分はなさそうだ

ハイラムビンガム号を牽引

9時05分出発


 この車両は、元々、マラッカ・シンガポール間を運行していたクルーズトレインだったが、赤字で取りやめになったもの。オリエントエクスプレス社が購入してリノベーションを施して再登場させたそうです。

 ちなみに、「ペルーレイル」と呼ばれるものは、ポロイ・マチュピチュ間およびクスコ(ワンチャック)・プーノ間の列車を「オリエントエクスプレス社(現在はベルモント社)」が運営している。だからクルーズトレインのような付加価値をつけて走らせているわけです。

 ちなみに、途中のオリャンタイタンボからマチュピチュの間をペルーレイルの他に「インカレイル」と「マチュピチュトレイン」の2社が列車を走らせている。

高原地帯をゆっくりと、ゆっくりと。
クスコ郊外一本道
 実はマチュピチュへは高度を下げながら進んでいます。だから高度順応を考えると、クスコは後泊が望ましいのです。途中、スイッチバックして、さらに高度を下げました。

トンネルは手掘り


 断崖の中をウルバンバ川の流れに沿って列車は走る。
 ジャングルっぽいところを通り抜けたり、手堀のトンネルを何度か抜けます。

上品な車内食


 
自席にて上品に一品ずつサーブされる。そりゃ、349USDもするんだもんな。

オリャンタイタンボで上りと下りの連絡


 オリャンタイタンボ駅に到着。欧米の旅行者はクスコからオリャンタイタンボにバスで向かい、この地のインカ遺跡を見た後、マチュピチュに向かうのがポピュラーのようです。だから、列車はオリャンタイタンボ発着のほうが多い。

アンデスとは「段々畑」の意味


 山沿いに、空中へと畑が広がる。その先にはアンデスの峰々がそびえたつ。
 途中、インカ道のようなところを何度か見かける。

展望車ではペルー民謡の生演奏


 乗客はピスコサワーやドリンクを片手に、生演奏を聴きながら外の景色を眺める。

12時24分にマチュピチュ駅到着


 駅を出ると土産物街があり、原色の色使いが鮮やかな衣類や小物類が所狭しと並べられている。

            

8月25日

早朝のワイナピチュ登山後、駅へ向かう

 朝5時起きでワイナピチュへ向かい、やっとの思いで登頂を果たす。午後に街に戻り、昼食を摂り、散歩して時間を過ごしました。

帰りはポピュラーなビスタドームで


 15時20分発のビスタドームに乗り込みます。何両編成か調べていないが、7・8両あったと思う。チケットに書かれた席は進行方向左側の窓際だった。
 

 右隣の男性と、右前方窓際の女性が、ペアなのに席が離れ離れ。彼女が「席を替わってくれないか」と聞いてきた が、ふと、その彼女の席の窓を見ると、上部が開くようになっていた(私の席の窓は上部が開かない構造)。快く"Sure"と言い、席を替わる。往路で川沿いのことを把握していたこともあり、願ったり、かなったり。

満員で出発

 ビスタドームはマチュピチュへの列車で一番ポピュラーなもの。上部にも窓があり、観光列車としての要素を満たしている。景色を優先して、荷物を置く網棚がないが・・・。

 実は、ペルーレイルでは、乗車にあたり、荷物制限をしています。たいていの人は1泊だろうから、旅行の荷物一切合財をマチュピチュに持っていく必要は、確かにないのとは言えます。

 クスコのホテルに荷物を預け、1泊分の荷物のみを小型リュックに詰め込んで列車に乗り込んだほうがはるかに楽だ。だから、クスコに到着した際、翌日宿泊予定のホテルに荷物を預けたってわけ。

ペルー版松花堂「軽食」弁当


 車内では一応、軽食がつきます。見た目はきれいだが、まさに「軽食」。
 この軽食にのみ、ドリンクが無料で1杯ついています。他の時間帯は有料。当然(?)リュックのミネラルウオーターを飲んで、無駄遣いをしません。

アルパカウェアのファッションショー


 オリャンタイタンボを出たところで、車中でアルパカウェアのファッションショーがありました。

 先ほどまで車内販売や軽食を配っていたアテンダントがモデルに早変わり。最初のうちは盛り上がったが、段々、乗客も飽き始める。予想通り、ファッションショーの後は、そのアルパカセーター等を売りに回っていたが、売れた様子はなかった

夜のポロイに到着


 すっかり車外は暗くなり、うとうとしているうちに、18時50分にポロイ駅に到着しました。
The Trivial Railway Bazaar

How To Get Tickets

The Trivial Railway Bazaar

 ペルーレイルのHP(https://www.perurail.com/)から予約・購入。また、オリャンタイタンボ・マチュピチュ間だと、インカレイル社https://www.incarail.com/でも同様に予約・購入可能。HPは英語・スペイン語だけだが、中学レベルの英語でもコツさえつかめば問題ありません。

2020年2月注
・以前はマチュピチュトレインという会社も運行していましたが、現在は運行されていないようです。
・また、当時は日通ペリカントラベルネットペルー店というのがあり、ピンハネ率は大きいもののけれど日本語で入手できたのですが、今はペルー店はなくなっているようです。
 

Tips

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ハイラムビンガム号は特別列車

 ハイラムビンガム号には乗車の他、マチュピチュ遺跡往復バス代、ガイド付き(英語)のマチュピチュ観光(マチュピチュの入場料込み)、遺跡横のマチュピチュサンクチュアリロッジでの観光後のケーキバイキング代が含まれます。
(左以下4点はギブアウェイから抜粋)
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クスコ ・ポロイ間はタクシーで

 帰路のポロイ駅からクスコ市街へのタクシーは駅に何台も待機していました。こんな場合、たむろしている運転手のところに行き、声をかけ、安い運転手についていくという手をいつも使っています。

 1対1なら、金額の交渉で私のようなカモは勝ち目はありません。

 そこで、彼らに勝手に競わせあいをさせるのです。往路はその手を使えず40ソル、復路25ソルでした。本文にもあるように、クスコのほうが標高が高い。高度順応のことを考えると、マチュピチュ観光・宿泊の後、クスコ観光・宿泊としたほうがベターと思います。




 オリャンタイタンボ近郊観光も欧米ではポピュラーで、クスコ空港着→オリャンタイタンボまでバス移動(宿泊して近郊観光)→マチュピチュ(宿泊・観光)→クスコ(宿泊・観光)が王道です。

 オリャンタイタンボ近郊観光には、マラスの塩田などもあり、日本のツアーとは少しひねった旅行が楽しめそうです(日程に余裕があればですが)。

脱線閑話休題

マチュピチュ観光は事前予約制


 1日につき2,000名と制限があります。2011年から始まり、開始直後はその制度を知らない観光客が「入れさせろ!」と窓口に詰め寄るシーンがテレビのニュースで流れていました。

 HPでパスポート番号等を打ち込み、予約。同ページ内でクレジットカードで決済の後、入場券がPDFで発行される。プリントアウトして受付に提示。ちなみにHPはhttps://www.machupicchu.gob.pe/inicio?request_locale=EN 日本語ページはなく、西語・英語のみ。しかし、英検2級程度の英語のレベルで購入は何とかなります。これがおっくうなら、旅行会社を通じて申し込むといいですが、手数料等は覚悟のうえで(ぼったくりレベルと思います)。
 
 ワイナピチュ登山も同様に1日400人(7:00amに200人、10:00amに200人)に制限されています。これも上記のHPで予約・購入により可能となります。

 注意点は、ワイナピチュ登山を馬鹿にすると、酷い目にあいます。私がそうでした。階段をずっと登りっぱなしと思ってください。私は途中でゲロを吐きかけました。日頃から運動もせず不摂生で、タバコを吸っていて体力が落ちている罰があたったのでしょう。
The Trivial Railway Bazaar
 救ってくれたのは、フランス人らしきおばさんが追い抜いていく(!)際、「これを食べて頑張りなさい」とキャンディーをくれたことでした。あら不思議、それを舐めると、先ほどまでの苦痛が嘘のように消え、何とか頂上まで登りきることができました。

 
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