鉄道小バザール本文へスキップ


鉄道小バザール






鉄道小バザール

鉄道小バザールとは、サラリーマンによる海外乗り鉄っちゃんの記録集です。






 

 夏に長期休暇を取ることが急きょ決まり、雨季にもかかわらず、スリランカに行くことにしました。執念で、レールバスに乗ることもできました。

 初掲載:2018年3月 Last Update2018年3月





 Gampaha(8/11 12:20)  Anuradhapura(15:29) I.C. 4017 179.3q 450Rs(2等指定
 Matale(8/14 13:55)  Kandy(15:25) 2633列車  27.9q 25Rs(3等)
 Kandy(8/15 11:10)  Peradeniya (11:18) Exp1015 5.9q 20Rs(2等)
 Peradeniya (8/15 12:31)  Nanu Oya(15:51) Exp1007 92.2q 150Rs(2等)
 Nanu Oya(8/16 12:35)  Badulla(16:06) Exp1005 85.3q 1000Rs(1等指
 Badulla(8/16 17:50) Colombo Fort(翌05:15) Exp1046 292.4q 600Rs(2等指定
Colombo Fort(8/17 08:35)  Galle(10:49) Exp8040 114.0q 180Rs(2等)
 Galle(8/18 10:55)  Mt.Laviniya(12:56) Exp8085 101.7q 170Rs(2等)
 Homagama(8/19 11:34)  Maharagama(12:00) 3列車 10.2q 10Rs(3等)
1Rs=0.75JPY(2017年8月当時のレート)  上記時刻は時刻表上の数字(実際の時刻は下の記事に記載)





空港からタクシーでガンパハへ


   KLIAのLCCターミナルではビル通路の下を飛行機が潜る         コロンボ・バンダラナイケ国際空港

   ガンパハへ向かう白タクの車中から…               ガンパハ駅の前景
 エアアジアでクアラルンプールからコロンボに朝930分到着しました。コロンボの街はあまり興味がないので、事前にリサーチして、アヌラーダプラ方面のガンパハという街にショートカットして向かうことにしました。
 空港で、待機している職員に聞くと、正規のタクシーなら2300ルピーとのこと。白タクを交渉し、1800ルピーで手を打つことにしました。約40分でガンパハに到着。これから乗る列車の切符を購入しても1時間ほど余裕ができたので、少し街をぶらつくことにしました。

よ、読めん…



 スリランカの公用語はシンハラ語という丸みを帯びたチンプンカンプンな文字。英語が表記されていればいいが、一般にはシンハラ語のみ。駅の時刻表を見ても、よ、読めん…。


慌てて列車に乗り込むと、自分の席に他の人が座っている

時刻表が読めないとなると、ホームもわからない。プラットホームが2面あるのでどちらにも移動しやすい位置にスタンバイしておく。時刻通りに列車が来るかどうかも分からない。

 ホームで売っていたアイスクリームを頬張りつつ待っていると、列車がやってきた。駅員にアヌラーダプラ行きかと尋ねると、そうだという。いい加減な答えのおそれもあるので、少し離れて別の人に聞いてもそうだというので間違いなさそうです。
 3等の車両は立錐の余地もないほど満員。2等車両は少しマシのようだ。飛び乗ると程なく出発。予約した席に向かうと白人のカップルが座っている。ここは自分の席と主張すると、2人は立ち上がる。こればかりは仕方ない。彼らには我慢してもらおう。

窓は全開で

 
      
 スリランカは北緯7度あたりの熱帯。エアコンはついていないので、当然、窓は全開状態です。車窓風景を撮るにはとても都合よい。
 座席はかなりくたびれているが、苦痛というほどではない。線路状況も劣悪というほどでもなさそうです。車両が揺れると吊革が一斉になびく様子がご愛嬌。ある時はジャングルのような、またある時はサバンナのような草原の中を列車は疾走します。

車内の風景、それはスリランカの生活そのもの

 

 
                     これ、踏切です                     サバンナの草原で鳥が飛び立つ

   クルネーガラ、マーホを過ぎ、ふと車内の右前を見ると、男たちが右手を器用に使ってカレーのようなものを食べています。私には真似できないが、見るからにうまそうだ。その後ろの座席には、子供が親の傍らで立ち上がってまわりをキョロキョロ。おもわず笑みがこぼれてしまう。



  「ワデ・ワデ」と叫びながら男が通路を行き来する。試しに1つ注文する。これは「レンズ豆をひいて玉ねぎや青唐辛子を混ぜ合わせて固めて揚げたお菓子」と、「地球の歩き方」に書いてある。包んでいる紙は使用済みのノートを袋状にしたもの。油を良く吸うから有効活用しているのでしょう。10ルピー(7.5円)なので、気楽に買え、そこそこ歯ごたえがあるので、口さびしい時には、もってこいのお菓子と言えます。
  16分遅れの1545分、アヌラーダプラ駅に到着しました。




スリランカはベーカリーが充実

 ダンブッラという世界遺産の街からバスに乗り、マータレーという街に着きました。街の真ん中の交差点に時計台があり、ランドマークとなっているが、時計部分がデジタル表示になっている。改修した結果そうなったのだろうが、「違うんじゃない?」と思わず独り言を言いたくなります。

 昼食を摂ろうと、ベーカリーに入ることにしました。スリランカはイギリスの植民地であった関係で、ベーカリー(パン屋)が多い。小腹がすいた時に気楽に入れるのがいい。店の奥のパン焼き場からアルミのバットに入れてサモサが運ばれてきました。チキンサンドとともに注文する。ほのかなカレー味とゆで卵がミックスされた味で、出来立てのアツアツということもあり、このスリランカ旅行で一番のおいしさだった。コーラを飲みほし、駅へと向かう。

 

 切符売り場に少し並び、程なく25ルピー(20円弱)で3等の切符を手に入れました。午後155分、各ボックスに2・3人が座る程度の込み具合で静かにホームを出発した。


ガッタンゴットンで2時間

 

 

 この列車は子供たちの登下校のための列車でもあるようです。扉から半分身を乗り出して風を体全体に浴びる彼らの姿は眩しい。嫉妬すら覚えます。車内で時折聞こえる笑い声も心地よい。まったりした時間が過ぎてゆきます。

 駅に着くたびに子供たちが降りてゆき、車中に人が徐々に少なくなってきました。それをいいことに、ボックスの中で穿いていたチノパンを半パンに着替えました。仏教遺跡を訪問するためには、いわゆる長ズボンをはかなくてはならず、蒸し暑いのが本音です。お行儀は悪いものの、快適さには、かえられません。
 30分ほど遅れ、午後4時にキャンディに到着しました。


明日乗る予定のレールバス発見

 

 キャンディ駅をぶらつくと、駅の端に、明日乗る予定のレールバスを発見しました。ボリビアで乗って以来、レールバスに非常に興味が出てきて、今回の旅先がスリランカなのも、レールバスの存在が大きい。先日のアヌラーダプラ駅でも見たが、いやがうえにもテンションが上がります。






レールバスが来ない



 朝早く仏歯寺のプージャを見物し、シャワーを浴びてホテルをチェックアウトしました。有名なキャンディーマーケットを冷やかしつつ駅に到着。ペラデニヤジャンクションまでの十分間、前日見たレールバスに乗るためです。かなり早めの到着だったが、いつものこと。

 

 しかし、駅のモニターに、件のレールバスの時刻が表示されない。手元のスマホによるネットの時刻表には表示されているにもかかわらず…。
 駅員に聞くと、今日は運転がないとのこと。仕方なく、早めのバドゥッラ行きの列車に乗り込む。早めの駅到着が吉となったようです。
 しかし、2等でも満員で座れない。立ちっぱなしで向かう。この列車で、今日の最終目的駅のナヌ・オヤ(ヌワラ・エリヤ最寄駅)に向かうこともできたが、おそらくこの状態がずっと続くと思われ、アジア随一の鉄道絶景を堪能できないので、当初の予定通り、ペラデニヤジャンクションで降りることにしました。





1時間待って正解

 
  キャンディー方面とバドゥッラ方面に分かれるジャンクション駅          開通時の駅舎らしい
 

ペラデニヤジャンクションはマータレー・キャンディ方面、コロンボ方面、バドゥッラ方面を結ぶ鉄道の要衝。Y字形にホームがある。何もすることもなく、1時間を過ごして列車を待つ。やってきたのは相変わらずのボロい客車。
 でも、ガラ空きで、自由に車両内を移動できそうです。先ほどの列車より過ごしやすいことは間違いなさそうです。

渓谷の合間をクネクネ・チンタラ

 

 

 

 しばらく平地を走った後、山間部を走り抜けます。高度が上がるにつれ、風が涼しくなってくる。登っている山と向かいの山との間に渓谷が広がり、斜面に茶畑が広がる。その脇をクネクネと列車が走る。
 かつて、トーマスクックの青い「オーバーシーズ時刻表」で、「アジア随一の風景」と記載されていたのもうなずけます。

 

 

 少し広いスペースがあると、線路が複線になり、上りと下りの列車が行き交う。写真を何枚も撮りたくなる景色が広がります。




切符を取られる

 
                                 最後尾は展望1等車(乗りたかったな)

 ハットンを抜け、ナヌ・オヤ(Nanu-Oya)という駅で下車しました。ここは紅茶の産地で有名なヌワラ・エリヤの最寄り駅です。乗降の人でホームがごった返す。リュックを背負い、跨線橋を通って改札に向かいます。ペラデニヤからの切符は硬券だが、駅員はくれなかった。大抵の国では外国人がスーベニア(土産に)というと、くれるのだが、頑としてくれない。仕方なく、写真で撮り、切符を渡す。 

            



ティーファクトリーで午前の紅茶



 ヌワラ・エリヤは紅茶の産地で有名なところ。朝早く宿を出てティーファクトリーを訪れました。ほとんど人がいないことをいいことに、茶畑をうろうろしました。茶摘みのおばさんが気軽に声をかけてくる。
 その後、工場見学に参加。工場見学の最後には紅茶の試飲があり、ストレートでおいしくいただきました。このティーファクトリーは、あの「午後の紅茶」の茶葉を生産している農園とのこと。まさに「午前の紅茶」?
 街に戻り、軽く昼食をとってタクシーでナヌ・オヤ駅に向かうことにしましょう。


この旅唯一の一等車両へ

 

 中国製の青い車両がやってきた。ホームは相変わらずごった返しているが、今回は1等を予約しているので、ゆっくりと席へと向かう。2等車両でさえ立っている人で満員だ。1等車両は満員だが立っている人はいない。しかもエアコンが効いている。ただ、窓はあかない。

 隣の白人が「妻と席が離れ離れになったので席を移動してくれないか」と聞いてきた。自分の席は通路側で、移動すれば窓側のようなので、断る理由はない。感謝もされるし。
 ただ、4人掛けボックスで3人が家族で、こっちは一人ぼっち。少し肩身が狭い。彼らは他のボックスにも家族が座っており、3世代でスリランカを観光してるスウェーデン人だった。彼らは時折お菓子をくれたりして、気を遣ってくれた。

絶景を眼下に

 

 
 渓谷超えで山々が見える。ワールズ・エンドの付近だ。切り立った山々が見える。どうして「世界の果て」と名付けたかはわからないが、絶景であることに変わりなはい。眼下に広がる茶畑と、ごく狭い平地に群がる集落のコントラストを車窓から眺め、バドゥッラへと進んでいきます。

エッラの先には…

             こちらは2等車両                         エッラでかなりの乗客が降りた
 

 ハプタレー・バンダーラウェラと過ぎ、エッラに到着。乗客の9割近い人々が降りた。スウェーデンの大家族ともさよなら。がらんとした車内で、移動が容易になった。
 この先にはナインアーチブリッジといわれる橋がある。スリランカの鉄道の写真には必ず出てくる風景だ。1等席は窓が開かないので写真には向かない。2等車両のドアを開け、通路に座り込む。

 風を体全体に浴び、先頭を眺める。遠くに視界が広がる。線路の脇にカメラを抱えている人が数多く見える。ナインアーチブリッジだ。石のアーチが9つ連なり、あっという間に通り過ぎました。

スリランカ最深部バドゥッラへ

 

 

 カメラの調子が悪く、なぜかシャッターが2回切れる状態が続く。また、レンズに傷がついたようで、中央左上が曇ったような状態で写ってしまう。どうしようもないが、だましだまし使うしかない。
 予定より20分遅れの1626分、スリランカ最深部のバドゥッラ(Badulla)に到着しました。切符を取られないよう、ナヌ・オヤで別に買っておいた3等の「見せ切符」を渡し、駅を出ました。

 

駅を出てすぐ、バドゥッラ河にかかる橋を渡る。眼下には河原の牧草地に牛と洗濯物が見える。牧歌的な景色に心が洗われます。街を少し散歩した後、バス停近くの店に入りました。
 コーラを頼もうとすると、奥からカタカタと音がします。コットゥを作っているようです。
コットゥとは、スリランカの新定番と言われる料理で、すかさず注文しました。適度に歯ごたえがあり、とてもおいしい。スルメと焼き飯を混ぜたような味とでも言おうか、日本には全くない料理で、形容するのが難しい。





 

  

 駅に戻ると、コロンボ行きの列車がホームに到着していました。かなり空いているようだが、1等の寝台はチケットを取ることができなかった。2等の座席指定券は確保していたが、隣の席は既に人が座っている。他のボックスがガラガラだったので別の席に陣取ることにしました。少しリクライニングできるので、多少は眠れるだろうか。

 1750分の定刻に出発。途中の駅で、上り下りの連絡の関係で、かなり待たされ、完全に日が暮れ、ナインアーチブリッジを再度見ることができなかった。徐々に車内が冷えてくる。窓を閉め、薄暗い車内でぼんやりとした時間を過ごす。駅停車のたびに人が乗り込む。
 夜10時を過ぎ、バドゥッラで買っていたロティとサモサを食べる。ロティは冷えるとあまりおいしくない。油のせいか。サモサは味がしっかりついているので、結構いけました。

 列車は相変わらず、ゆっくりと暗闇の中を進む。そして駅を出発するたびにガタンと揺れて、浅い眠りから覚めてしまいます。車内はほぼ満席になり、自分の本来の席に戻り、少し窮屈な姿勢でうとうとする。ある時、ふと窓を見ると、駅に止まっているようなので外に出ると、2日ほど前に通ったペラデニヤジャンクションでした。煙草を吸い、気分転換。時計を見ると相変わらず1時間以上遅れているようです。 

目が覚めると複々線に

 

 

 揺れで目が覚める。腕時計を見ると朝6時を回っている。本来なら既にコロンボに到着している時間ですが、急いでいる旅ではないので、どうということはない。
 ただ、複々線になっていたので、コロンボにかなり近いところまで来ているに違いありません。近郊の駅でかなり下車したのか、車内も空いてきた。窓を開けて風を浴びる。進行方向奥に高い塔が見えてきました。まだ、工事中のようです。日本で戻って調べると、コロンボタワーというものらしい。
 ちょうど2時間遅れの715分、Colombo Fort駅に到着しました。


 



コロンボ・フォート駅は首都のターミナル

 

 コロンボフォート駅は首都の中心駅だけあり、プラットフォームが何面もある。朝の通勤ラッシュということもあり、たくさんの列車が行き来します。列車の扉は当然開きっぱなしで、列車が着くたび、多くの人々がホームに吐き出され、そして乗り込む。
 改札を出て、煙草を吸い、ゴール行きのチケットを買う。2等・3等で売り場が異なり、1枚ずつ購入した。3等はゴールの改札で渡すための「見せ切符」だ。日本円で100円ほどなので、大したことはない。

 

 列車がやってきたが、2等の車両の位置がわからず、スタートダッシュに遅れ、立ち席になる。
 しかも、故障が発生したのだろうか、私が乗っていた2等車両が切り離され、移動させられた。私自身は元々立っていたので被害は少ないが、座席を確保できていた人にはたまらないだろう。45分遅れの9時20分、列車は満員の乗客を乗せて、ようやく出発しました。



 コロンボ・フォートを出発して10分も経たないうちにインド洋に接して走りだした。波は白く、そして海は青い。立っているので少ししゃがみこんで車窓を覗き込む。汗が額を滴るが、インド洋の風を少しでも浴びよう。

 途中、バナドゥラ、カルタラ、ベントタといった街に停車するが、席はまだ空きません。ヒッカドゥワで2割ほどの人が降車し、なんとか席を確保できました。ゴールにかなり接近しているが、まだかなり立っている人が多いので、贅沢は言ってられません。50分遅れの1140分、ゴール(Galle)に到着しました。

ゴール駅はターミナル形式



 ここは終着駅のような形をしています。乗ってきた列車は、この先のマータラ(Matara)まで行くので、機関車を一旦切り離し、今まで最後部だった車両にくっつける。機関車交換を見届け、ホームを出ました。この後は、旧市街の城塞をぶらり散歩することにしよう。

 






     これは前日に撮影した、天気のいい日のゴール駅前景

 前夜から嵐のような天気で、海は荒れ、雨も降っている。当初の予定ではこの日にゴールに向かう予定だったので、前日の晴天をラッキーだったと考えることにしましょう。
 ホテルをチェックアウトして駅のホームに立つ。前日の教訓で2等車両の位置が把握できていたので、改札に近いところで待っていた。背後で旅行者が2等車両はどこかと聞き合いしている。向こうだろうとなって、改札とは逆方向に向かっていった。心の中で、ライバルが減ったと、少しダークな笑みをこぼしてしまった。
 列車がやってきた。マータラ方面から既に乗車していた人がいるので窓側ではないが、席を確保することができました。立っている人で満員の状態で定刻の1055分出発しました。

残念ながら海と空は…

 
                                   奥の建物がマウントラヴィニアホテル
 
                                      ホテルの横を列車が走る

 席を確保できたのはいいが、残念ながら海と空は鉛色。前日、青い海と空が見られたのは、せめてもの救いだ。
 北上しながら、キャンディのレールバスのリターンマッチができないかと、よからぬ思いが頭をよぎる。日本であれこれネットリサーチしていた時、コロンボ近郊にレールバスがあることを把握していました。どうしようかと考えあぐねているうちに、10分遅れの134分、宿泊予定のコロンボ近郊・マウントラヴィニヤ駅に到着しました。
 宿泊予定のホテルは、スリランカの代表的クラシックホテルだ。駅からもホテルが見える。チェックインして、ホテルのWIFIを利用して、レールバスにトライできるか、考えることにしよう。




意地で再トライ(正確には再々トライ?)

 
 
 マウントラヴィニヤホテルを940分にチェックアウトし、トゥクトゥクでマハラガマという街まで出て、バスに乗りホマガマ(Homagama)の街に到着し、徒歩で10分ほど歩いて1055分にホマガマ駅に到着しました。
 
 
こう書くと、スムーズにホマガマに着いたように感じられるが、実は前日トライして失敗しているのです。ホテルにチェックインしてスマホで検索し、レールバス乗車に挑戦したが、20分遅れで乗ることができませんでした。
 ホテルに戻ったのは夜の8時近くで、半日を無駄にしてしまった。雨にも打たれ、途中で乗ったトゥクトゥクに傘を忘れてしまうという始末。
意地で、スリランカ最終日にもかかわらず、コロンボ観光の時間を削り、レールバス乗車に再々トライすることにしたのです。

 
       トカゲが郵便ポストで日除け

 インターネットだと1134分にホマガマ発となっていたが、駅の時刻表を見ると1113分発となっていた。結果オーライではありましたが、少し冷や汗が出る。一歩間違うとまた乗り遅れかねない事態でした。
 ペットボトルの水を飲みながら、駅で遊んでいる子供たちを眺める。屈託なく笑うその姿は、眩しい。思わず、写真を撮る。

ほぼ満員でスタート

 

 
 
 南側のカーブをレールバスが2両編成でやってくる。真正面にあるカウキャッチャーが不自然などほど目立っている。キャンディやアヌラーダプラで見た白いレールバスとは異なり、赤い。
 乗り込んだが、ボリビアで乗ったレールバスの完成度とは程遠く、「レールバス」という名の小さい2両連結の車両といった感じです。ただ、隣の車両とは行き来はできません。
席はほどほどに混んでおり、住民の足として機能しているようです。

 

 座席はかなりチャチで、壊れているものもありました。沿線をクネクネ進む様子は、江ノ電に似ているかもしれません。
 途中の駅でタブレット交換し、夢のような20分間を過ごし、マハラガマに1135分到着。スリランカにおいて3度目の挑戦でようやくレールバスに乗ることができました。コロンボにバスで向かい、職場と子供たちの土産を買うことにしよう。

 

 

東南アジアはやはりエアアジア
東南アジアへの旅行にはここ数年はエアアジアばかり使っています。関空または羽田を深夜に出発し、目的地には午前中に到着します。こまめにチェックしておけばキャンペーンがあり、バンコクやクアラルンプール片道が1万円を切ります。
 そのキャンペーン時にビジネスクラスを利用すれば、25000円程度で利用できます。こうすれば仕事終わりで空港に向かっても、ぐっすり眠って旅行を始めることができます。クアラルンプール行きなら、乗り継ぎ時にラウンジを利用できます。ごろ寝スペースがあり、お勧めです。



仏教遺跡観光は「足裏あつあつ地獄!?」

 ご存じのとおりスリランカは仏教遺跡の宝庫。スリランカに来たからには、訪れないわけはありません。ただ、一番参ったのは、足裏の「熱さ」。仏教遺跡を訪れるには、裸足にならなければなりません。
 午前中の早い段階は問題ないのですが、10時を過ぎたころには、足裏が熱くなり始め、正午ごろには大搭(ダーガバ)のまわりを回ることができなくなりました。一応、靴下はOKらしいのですが、そもそもサンダル履きの旅行をしている身には、靴下が、「ない」。心安らかになるために仏教遺跡を訪れたはずなのに、「足裏あつあつ地獄」を味わうとは…

ラジャダニ・エクスプレスやエキスポ・レイルは無くなった
 私も含め、海外の旅行者が利用しやすいものとして、スリランカにはラジャダニ・エクスプレスやエキスポ・レイルがありました。これは外国人が利用しやすい特定の列車にコバンザメのように特別車両を組み込み、運用するもの。アラスカ鉄道にもあるシステムで、海外からの旅行者は「ネットで予約できるので確実に乗れる」「清潔な車両に乗れる」ということで重宝されていました。
 スリランカの鉄道はとても安いので、高くても知れている。私もスリランカ行きを決めてからすぐにネット検索しました。しかし、2017年の6月にこの2社の運用が停止されていました。

How To Get Tickets

スリランカの鉄道予約について
 ラジャダニ・エクスプレスやエキスポ・レイルがなくなったので、通常のスリランカ鉄道を予約するしか方法がありません。色々と英語のサイトを調べると、イギリスの旅行会社が代行してくれるようです。シーズンには早めに予約することをお勧めします。私は予定変更前の段階で3つのうち、2つの列車の予約を取ることができました。
https://www.visitsrilankatours.co.uk/train-tickets-1.html

なっている。デカッ、のひとこ荘厳さといったものは感じられなかった。平日ということもあり、大仏脇の階段の渋滞もなく、容易にクリア。

★鉄道大バザール ポール・セロー著 阿川弘之訳 講談社1977年刊  講談社文芸文庫もあり
★ゴーストトレインは東の星へ ポール・セロー著 西田英恵訳 講談社 2011年刊 

 前著は氏の代表作の一つで、ロンドンからインド・東南アジア・日本を経てシベリア鉄道で戻るという鉄道旅行記。このホームページのタイトルの元ネタとなりました。後著は前著の旅を三十数年後に再び訪れるというものです。

 前著はかなり現地の人に対して失礼な記述が随所に現れます。しかし、露悪的にせよ、白人の視点による1970年代のスリランカを垣間見ることができます。後著はその後のスリランカの情勢がコンパクトにまとめられており、ガイドブックでは知ることのできない生身のスリランカを知ることができます。



                                                          Trainsへ(Index)

ナビゲーション