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鉄道小バザール






鉄道小バザール

鉄道小バザールとは、サラリーマンによる海外乗り鉄っちゃんの記録集です。


 アジアの鉄道で絶対、外せないのはインド。秋に暦通りで5連休がとれるという奇跡を活用し、駆け足でインドを訪れました。
 
 初掲載:2013年1月 Last Update2013年6月




 9/21 Varanasi Jn
(バラナシジャンクション)17:20
Agra Fort(アグラ・フォート)翌07:20  Marudhar Exp(4853列車) A1/0033/LB 650km   959.00INR
 9/22  Agra Cantt
(アグラ・カントメント)  20:30
New Delhi 2230  NDLS Shatabdie Exp(2001列車)C8/0040/WS 195km   400.00INR
1INR(インドルピー)= 1.985JPY(当時のクレジットカードレート)


ガンガーでボートに乗ってバラナシ観光

 沐浴をする勇気はなく、夕暮れ時と早朝の2回、ガンガー(ガンジス河)のボートに乗りました。
 朝食後、あてもなく街を散策して、その後ホテルをチェックアウト。サルナート(釈迦が初めて法を説いた地)にオートリキシャで訪れ、列車出発1時間ほど前にバラナシジャンクション駅に着いた。

威風堂々としたバラナシジャンクション駅舎

 
 バラナシの表玄関の駅だけあり、外観はとても堂々としたつくりだ。構内は活気にあふれているというか、騒がしい。
 食堂でチーズバーガー(肉は何かわからない)とコーラを休憩がてら食べ、ミネラルウオーターを買い込み、プラットホームに繰り出した。


列車に乗り込む

これから乗る列車はバラナシジャンクション始発で、ジョドプール行きの急行列車。始発なので列車到着の遅れを気にする必要もなく、アグラに翌朝到着するという、うってつけの列車だ。


 e-チケットを見ると、A1車両の0033のLBとなっている。LBとはLower Berthつまり下段。各車両にプリントアウトされた用紙が糊付けされている。
 念のために覗き込むと、ちゃんと自分の名前が記載されており、日本での予約がうまくいっていることがわかり、ほっとする。当たり前か。

 乗り込んだのは、エアコン2等寝台で2段式。3段式の3等寝台に嬉々として乗り込むほど若くはない。

 インドはゲージ(線路幅)が1676mmと、日本の新幹線よりも広い。そのため、寝台が線路に垂直にあるだけでなく、もう片方側に線路に平行して存在する。

 ただ、窓が光をさえぎるよう着色してあるため、視界はあまりよくない。しかも窓は下段の寝台それぞれにある形で、大きくない。

定刻通りの17:20に出発


 乗り込んだ区画は上部も対面も今のところ空席で快適この上ない。シーツや枕も思ったよりかなり清潔だった。黄色く変色され、薄汚れた窓から外の景色を見ると、いつも夕暮れのような風景が続く。

 車内で出前を取りに来るので頼むと、やはりというか、いわゆるカレーだった。
一日中動き回ったので早めに毛布とシーツに包まり、寝ることにしよう。



案の定遅れる


 思いのほかぐっすり眠ったようだ。一度も途中で目が覚めることがなかった。どこかの駅で停車中にプラットホームに降り、目覚めのチャイを飲む。薄いプラスティックの容器で味気なかったが、ほのかに甘い、温かい液体がのどを潤す。う〜む、インドの朝だ。
 
 事前に、いくつかの駅と到着時刻をインターネットで調べてメモしておいたので、約1時間遅れなのがわかった。今日はタージマハルとアグラ城を見るだけなので1時間程度の遅れはno problem(インド人はよくこの言葉を使う)。

アグラフォート駅到着

 
 薄汚れた車窓をとおした景色を見つつ、1時間5分遅れの午前7時20分にアグラフォート駅に到着。フォートとは、城の意味。
 もう一つ先にあるイドガー駅で降りる予定だったが、多くの人が降りるのでこの駅で降りることにした。
 駅を出てすぐ左手に荷物預け所を見つけ、リュックを預け、オートリキシャに乗り込んでタージマハルに向かった。

 


 タージマハルとアグラ城の2つの世界遺産を観光して、早めにアグラ・カントメント駅に向かう。カントメントとは、元々は軍の宿営地という意味らしい。

 早めに駅に向かったのはリタイアメントルームを利用するため。これは長距離列車が多いインドならではのステーションホテルのようなシステム。表示を見つけ、階段を上がるとあったが、満員とのこと。乗車予定の列車を告げ、短時間の滞在の旨を話すと、「こちらへ」。値段の交渉をして、一部屋をあてがわれた。十分我慢できるレベルだ。
 古くて騒音のする冷房をかけ、シャワーを浴び、一眠り。この後のニューデリーからバンコク経由の香港行き飛行機の強行軍夜行飛行機に備えなくては。

夜のホームに立つ
 
 少しリフレッシュして、すっかり夜になったプラットホームに立つ。がやがやした中、列車が到着。NDLS  SHATATABDIE EXPRESはニューデリー行新世紀特急の意味で、インドの特急の代名詞の一つである。

やはりカレーの車食


 20時30分ほぼ満員で出発。3人掛けの真ん中の席に座る。夜であること、着色された薄汚れた窓であることから、車窓の景色は期待できない。まんじりとした時間を過ごす。ただ、かなりのスピードを出してることは推測できた。

 一等席なので、食事がついている。やはりカレー。カレーは好きなほうだが、さすがに毎食となると、食傷気味。食事というより餌の感覚にさえなってくる。
 22時30分、ニューデリー駅に到着した。客引きをかき分け、タクシーの値段交渉して、空港に向かわなくては。

How To Get Tickets

インド鉄道はインターネット予約できる


 インドはIT大国でもある。鉄道予約もインターネットで可能です。https://www.irctc.co.in/
 残数も表示され、コツをつかむと大変便利です。Inquiryという、あまり日本人には見かけない英語が出てくるが、照会という意味で、予約と思えばいい。
 ただ、難点なのは時々インド側の都合(?)で通信事情が悪く、システムダウンか停電なのか、ホームページが開かないことがあります。その際は時間を変えてトライするしかありません

VERIFY:クレジットカードの+αステップについて

 日本においてインターネットでのクレジットカード決済は通常2ステップです。@カード番号等のカード表面の記載事項入力A裏面の印字コード(3ケタ)入力。
 しかし、インド鉄道の予約の際に「VERIFY」「VERIFICATION」という、3つめのステップがありました。認証の意味で、設定したクレジットカードIDとパスワードを入力することになります。所有するクレジットカード会社のホームページで確認し、登録しましょう。
 このシステムを利用しているのは、先進国ではなく(?)、決済については慎重を期さなくてはならないからなのでしょうか。インド以外ではペルーレイルで経験したほか、つい最近ではエアアジアの予約でもこのシステムが導入されていました(以前のエアアジアでは導入されていなかった)。
Tips

ニューデリー空港は一癖ある空港

 1つ目:喫煙者の方はご注意を。出国前のチェックで確実にライターは没収されると思ってください。ただ、喫煙所には備え付けのライター(?)が、壁に設置されています。同様のシステム(没収し、喫煙所の壁にライター設置)は、上海の浦東にもありました。喫煙所があるだけ良しとしましょう。LAX(ロサンゼルス国際空港)や、リマ空港は、出国手続きしたら最後、喫煙所がありませんでした。

 2つ目:免税店はインドルピーが使えない。外貨獲得のためなのでしょうが、免税店は外貨しか使えなかった。レジで人々はそれぞれ、ひとことふたこと文句を言っていた。ただ、笑ったのは、どこかの東アジアの国の人が十冊近くカーマスートラの写真集を買っていた。お国にとっては、その価格は結構するんじゃないの?他の土産を.買ったほうがいいんじゃないの?と思わずつぶやいてしまいました。
注:別のところにある小さな土産物屋ブースは、現地通貨が使えました。また、新国際線ターミナルがその後オープンしたため、現在も同じかどうかはわかりません。

 3つ目:機内持ち込み手荷物のチェックを受けると、その手荷物にタグをつけられる。これはインド以外では未経験。もし、手荷物にタグがつけられていないと、最初からやり直しらしい。

バラナシのホテルは「ホテルアルカ」がお勧め


 私のようなサラリーマントラベラーだと、バラナシに使えるのは1泊か2泊。それなら、早朝のボート乗りを考えると川沿いのホテルに宿泊は譲れない。しかもガンガービューの部屋で。でも、汚いのは・・・と思うのは当然。

 ホテルアルカは、ガンガービューの部屋も多く、比較的清潔。一番有名な沐浴場であるダーシャシュワメード・ガートへも川沿いに徒歩5分で行けます。火葬場で有名なマニカルカーガートも同様。川沿いに立つホテルの利点として、最大の増水期を除けば、川沿いの階段道(ガート)を歩けば夜でも道に迷わないこと。プージャと言われる夜の祈りの儀式を見終えても、気楽にホテルに戻れます。ロンリープラネットでも薦めていたので各国の旅行者が泊まっている。ボートはそこで泊まっている旅行者とシェアすれば安くつく。

 最上階のガンガービューの部屋(ハワイのホテルのように言えば「ガンガーフロント」。おそらく一番いいレベルの部屋)に泊まったが、シャワー・バルコニー(?)付きで3000円程度(当時)。中庭のレストランもガンガービューで快適。停電はご愛嬌。ネットで予約可なので、ガンガービューの部屋を希望するなら、予約したほうがいい。http://www.hotelalkavns.com/
(左棟の最上階最先端が泊まった部屋。右写真は部屋のバルコニーから撮影)

脱線閑話休題

本当は世界遺産の鉄道に乗る予定だったが
インドを訪れると決めた段階では、トイトレインで有名な世界遺産のダージリン・ヒマラヤ鉄道http://www.dhr.indianrailways.gov.in/index.jsp に乗る予定でした。しかし、土砂崩れで一部区間不通とホームページに載っていたので断念(その後開通したが、2013年1月現在、また土砂崩れで一部不通)。
そこで、カルカ・シムラ鉄道に乗ることにしました。これも世界遺産だし、宮脇俊三の著作にも登場しており、しかも、ここも高山列車なので、こちらに決定。しかし、香港発のCX(キャセイ航空)機でニューデリーに向かうものの出発が遅れ、カルカに向かう列車に乗れず。急きょニューデリー観光に変更した。再度インド旅行をトライするしかない。何年後になるやら・・・

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