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鉄道小バザール






鉄道小バザール

鉄道小バザールとは、サラリーマンによる海外乗り鉄っちゃんの記録集です。






 
カミさんは大自然の地に行きたい、私は鉄道のあるところに行きたい、ということで、アラスカに行くことにしました。開港の日にあわせて関西国際空港に到着するプランを計画しました。1994年と、かなり以前の乗車であることをご了承ください。

 初掲載:2015年5月 Last Update2015年6月



フェアバンクス(08:30) デナリナショナルパーク(12:15)
マッキンリーエクスプローラー号
(Westour<当時>の観光車両)
 
 デナリナショナルパーク(12:30)  アンカレジ(20:30)
1USD=100.00円(1994年8月当時のレート)

これが駅?


 前夜遅く、ホエールウォッチングや氷河ツアーで有名なガスタバスというところから、ジュノー・アンカレジ経由でフェアバンクスに到着しました。この街は北緯64度で、もう少しで北極圏。午前6時に起床して、バンで駅へと向かった。駅舎はあるものの、プラットフォームは、道路と区別がつきにくいつくりだ。ガイドに誘導されるまま、列車後部の車両に乗り込む。(上部左写真が玄関側で上部右が裏側。わかりにくいが、実は奥の建物との間に線路がある)

8時30分に出発 


 8時30分、静かにフェアバンクス・デポ(駅)を出発。乗り込んだのは、一般車両の後部に連結された旅行会社WESTOURSのMcKINLEY EXPLORERという車両。座席は2階にあり、窓枠以外は全てガラス張りで、景色を見るのに大変都合よい。1階は食堂車になっている。

食堂車で朝食を


 早朝に起床してそのまま列車に乗ったこともあり、階下におりて朝食を摂ることにしよう。
 カミさんはフレンチトースト(7USD)、私はスクランブルエッグとソーセージ(8USD)の朝食を注文する。下のフロアなので景色がいまいちだが、少しだけ優雅なひと時を過ごす。



 
 車両付けのガイドがマイク片手に沿線を説明しているが、理解できるほどヒアリング力はない。車両ごとにある土産物スペースで列車・沿線ガイドを購入し、それをパラパラめくりながら、車窓風景を楽しむことにしよう。



 列車は川沿いをくねくねと進む。ビーバーのダムが見える。



 午後015分、定刻通りにDenali Park Station到着。列車についているタラップを使ってホームに降り立つ。預けた荷物はホテルに直接入れてくれるとのことで、身軽だ。ここで2泊して、国立公園を満喫することにしよう。


2日後、アンカレジに向け再出発


 昼過ぎにデナリ・ナショルパーク駅に向かう。2日前の続きをこれから始めることになる。視界を遮るものがないので、到着した列車の先頭から最後尾まで首をぐる〜と回すと見渡すことができる、爽快な気分だ。「TANANA(川の名前)」という名称がつけられた車両に乗り込む。



 川の蛇行に沿って列車が走るので、まさにワインディングロードを進む。隣の車両は一般車両なので窓が開く。写真・ビデオ撮影にぴったりだ。また、ドア部分は喫煙スペースになっているのでほっとする(1994年当時の話で、現在は喫煙できるかどうかは不明です)。



 カミさんは、午後のまったりした時間をパズル本を解いたり、ぼ〜と車窓を見つつ、うつらうつらしている。沿線ガイド本によるとHonoluluという地点を過ぎる。地元の炭鉱者が暖かいことを願って名付けた、いわばアラスカンジョークの土地だ。しばらくしてハリケーン渓谷の橋を渡る(右下の写真はパンフレットからの転写)。
 


 タルキートナに到着。デナリパーク・アンカレジ間で一番大きな町だ。ここは植村直己氏が最後の登山(マッキンリーで遭難し、還らぬ人になった)の際に訪れた町としても有名だ。別の地点でNortth Bound(北行き)の列車とすれ違う。



夕暮れの午後8:30、アンカレジ駅到着
 緯度が高いので、夏の期間、この列車は太陽が昇っている間に走りきる。午後8:30、アンカレジ駅に到着。ホームに降り立ち、大きく背伸びをする。夕日に照らされた列車は何故か走り終えた満足感を帯びていて、やけにまぶしい。



How To Get Tickets
 ホームページで予約するのがベストでしょう。http://alaskarailroad.com/ 乗車当時は一般座席車両の他は、本文にあるような、特別車両を牽引する旅行会社に申し込むパターンが主流でした。
 私自身は旅行会社が企画したツアーに申し込み、オプションとしてWestourがしつらえている特別車両「マッキンリーエクスプローラー号」に乗った訳です。現在では、本家アラスカ鉄道会社も、Goldstar Serviceという、完全2階建ての特別車両によるサービスを実施しています。


アラスカ鉄道とは…
 乗車したフェアバンクス・アンカレジ間(470マイル=756km)のほか、アンカレジ・スワード間の2路線を持つ州立鉄道で、アメリカ合衆国で唯一の黒字路線と言われています。全開通は1923年。
 2015年現在、フェアバンクス・アンカレジ間は「デナリ・スター号」という、カッコいいネーミングがされていますが、1994年当時は、そんなしゃれた名前はありませんでした。
 当時は、両方とも午前8:30出発、到着も午後8:30と、実にわかりやすいものでした(2015年現在は午前8:15フェアバンクス出発、午後8:00アンカレジ到着)。
 この鉄道は、フラッグストップ(Flag Stop)という制度が今も残っています。キャンパーやハンターが、駅のないところで降車し、再び乗り込む際、白い布を振って止めてもらう制度です。


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