鉄道小バザールとは、サラリーマンによる海外乗り鉄っちゃんの記録集です。
シンガポール 22:00 | クアラルンプール 06:23 (06:55) |
EKSPRES SENANDUNG MALAM ADNFD | MYR320.6 |
クアラルンプール 20:00 (21:00) |
バターワース 04:39 (05:25) |
EKSPRES LANGKAWI ADNFB | MYR85.00 |
バターワース 14:15 (14:20) |
バンコク 09:55 | No.36 | THB1210 |
1MYR(マレーシアリンギット)=28.37JPY 1THB(タイバーツ)=2.8JPY <当時のクレジットカードでのレート> (カッコ内時刻は実際の時刻) |
A380でシンガーへ
筆者は「鉄ちゃん」ではなく、「乗り物ちゃん」を自負しているだけに、A380は早めにクリアしておきたい乗り物でした。
当時はまだ世界中に3・4路線しかなく、SQ(シンガポール航空)でシンガポールに向かうことにしました。
SQのA380には2階にもエコノミー席があることから、SQのホームページから、アッパーデッキ(2階席)を指定しました。搭乗もアッパーデッキから(つまり、直接2階席に乗りこめる)!
窓側の席には肘掛付近にも収納スペースがあり、モニターも大きく、快適そのもの。そして、「静か」。使いもしないのにA380がプリントされたトランプをもらい、子供丸出しと反省。
ホーカーズで腹ごしらえをしてタンジョンパガーへ
シンガポールのいいところは、屋台が衛生的なこと。ホーカーズと呼ばれる屋台街でフライド・ホッケンミー(福建麺の焼きそば・6SGD)を食べ、少し街を散策してタンジョンパガー駅へタクシーで向かった。
タンジョンパガーはクラシカルな駅舎
この駅から列車に乗るのは2度目だが、天井が高く、趣のあるいい駅舎だ。1日に運行する列車も片手程度で、ゴミゴミしておらず、発展著しいシンガポールにあっては、エアーポケットのような存在だ。1等寝台を予約していたので、特別室のようなところに通され、本を読んでひと時を過ごす。
シンガポール出国前にマレーシア入国
シンガポール・マレーシア間を結ぶので国境越えがある。通常の国境越えだとシンガポール出国手続きの後、マレーシア入国手続きだが、ここでは最初にマレーシア入国手続きがある。
実はこの路線はマレーシア国鉄所有のため、最初にマレーシア入国となる。この駅は2011年6月に閉鎖され、このような摩訶不思議なセレモニーがなくなってしまった(現在は、この後登場するウッドランズ始発)。
1等個室上(?)に乗り込む
この旅で3回寝台列車に乗るため、バリエーションを楽しもうと、まずは1等個室寝台の上(?)と言われるAircon Day Night First Deluxe(ADNFD)を予約した。2人用個室でシャワーとトイレがついている。線路と平行に2段ベッドが設置され、スペース的には十分な広さだ。22:00出発。
途中、寒さで目が覚め、スウェットを重ね着して再度眠る。6時少し前に本格的に目が覚め、シャワーを浴び、髭をそる。朝食のハンバーガーが運ばれ、コーヒーとともに胃袋へ。
日中はKL観光
KLCCのモール散策をしたり、KLタワーに上ったりと、定番の観光で日中を過ごす。繁華街はシンガポールと遜色はない垢抜けた雰囲気で、特にKLCCのモール街は世界有数といっても過言ではない。美しさと、店舗数は、今までのどこよりも多いように感じた。ただ、トイレが有料(2RM=リンギット)なのは、玉にきず。でも、モールを出ると公園で緑が多く、理想的な未来都市といった雰囲気だ。
今回乗車のランカウイエクスプレスは、マレー鉄道の代表格。Aircon Day Night First(ADNFB)という一等個室寝台の下(?)を予約した。ベッドは線路と垂直に設置され、洗面台もついているが、シャワー・トイレはついていない。
マレー人のおっちゃんと同部屋となる。KLのメリディアンホテルでコックをしていて、実家に戻るとのこと。1等に乗るあたり、それなりの稼ぎなのだろう。それにしても相変わらず寒い。嵩張り覚悟で持ってきたスウェット上下は正解だった。買っていたドーナツを頬張り、少しだけ本を読み、朝が早いので早めに毛布にくるまる。
早朝のバターワースに到着
この列車はタイ最南端のハジャイ行きなので、同室のおっちゃんを起こさぬよう、5時25分、出発と同様1時間遅れで下車した。まだ、夜は明けていない。
プラナカンの世界
駅で荷物を預け、夜明けをフェリーで迎え、ペナン島を観光した。フェリーを降りたところのバスターミナルで、ナシレマ(小魚ごはん)とテ(ミルクティー)で2RMの朝食をとり、ペナンヒルや、世界遺産になったばかりの街並みを散策。
人通りの多い市場内の食堂でホッケンプロウンミー(エビ福建麺)を食べてプラナカン(華僑)の世界に少しだけひたった。
フェリーでバターワースに戻ることにする。ペナン島行きのフェリーで1.2RMを払っているので戻りはタダというシステム。香港・スターフェリーよりも少し距離はあるが、同じような乗り物。狭い海峡の中をタンカーが通り抜け、少し緩んだ雰囲気が船内を包む。至福のひととき。
満員でマレーシアを横断
マレーシア鉄道は本数が限られていることもあるせいか、しばらくすると次第に乗客が増えていき、満員になった。青々と茂ったジャングルを車窓にまったりとしたひと時を過ごす。
パダン・ブサールで一旦下車して国境越えの手続きを済ませる。タイ国鉄の機関車への付け替えを見つつ、売店で買った肉マンを頬張り、再び列車に乗り込む。
タイに入国すると、線路わきのスペースが広くなり、木々も少し趣を変えたものになっていた。タイ最初の駅のハジャイ(Hat Yai)で増結し、長距離列車の風格が出てきた。マレーシア国内と打って変わってかなり車内がすいてきている。出前の注文を取りに来たのでオーダーしてパクつく(150THB=560円)。
今度は2等寝台
しばらくして寝台のセッティングにやってきた。2等寝台だが、日中座っていた席ワンボックスがそのままベッドになるわけで、線路と平行に眠る形となる。JR581系寝台を思い浮かべるとイメージが湧きやすいか。しかも2段しかないので、日本の感覚では昔のA寝台並みの居住性があるといっていいでしょう。
タイの朝日を浴びて北上
日本ではしない早寝早起きで、日の出を車窓から眺める。出前の朝食を摂る。100バーツ払い、おつりはリンギットでもらう。この期にリンギットでおつりをもたってもなぁ。前夜にトイレにシャワーノブがあるのを発見したので、シャワーを浴び、すっきりする。
バンコク・ファランポーン駅へ
緑の中を進んできたが、徐々に都会へ向かっている。バンコクに入ると、少し遠方に高層建築が見えるものの、ふと視線を降ろすとスラムの街並みが。繁栄と貧困が同居している。
事前にネットで調べると11時24分着となっていたが、思いのほか早く、9時55分、ファランポーン駅に到着。駅で荷物を預け、さて、どこをうろつき歩こうか。今夜の夜行のSQでバンコクを発ち、明日の朝には成田なので、泣いても笑ってもあと十数時間。
バターワース・バンコク間の列車はタイ国鉄所管となり、KTMでは予約できません。旅行当時(2007年)当時はタイ国鉄はネット予約ができませんでした。当時有名だったのは「プログラムD」というタイの旅行代理店で発券・発送してもらう方法でした。http://www.pdi.co.th/ticket.html 手数料も良心的で、クレジット決済も可能で、日本への発送もしてもらえました。日本人がいて、国際電話しても日本語で対応していただきました。
しかし、現在は、ネットでタイ国鉄にダイレクトで予約・発券(eチケット)ができます。http://www.thairailticket.com/esrt/ 詳しい解説が書いてあるサイトは http://spngbb.blog.fc2.com/blog-entry-122.html にありました(このサイトは筆者自身がたまたま見つけただけなので、保証はしかねます)。
都市鉄道
実はシンガー・KL間は前年の2006年に走破しているはずでした。家族でシンガポール旅行をして、その間に走破を企てました。@妻や子供と夕食A妻と子供をホテルに送り、一人、タンジョンパガーへB今回と同じ列車に乗るCKLセントラルに着くや否やKLIAエクスプレスに乗り、KLIA(クアラルンプール国際空港)へDシャトル便(当時はエアアジアがなく、マレーシア航空もしくはSQで空きがあるとすぐに安く乗れた)でとんぼ返りE妻と子供はホテルの朝食後、ホテルのプールで遊ぶF昼食時に合流 という、ばかげたたくらみでした。
結論を言うと、Bの途中、ゲマス・タンピン間が工事で不通となり、その間はバス移動となったのです。夜中に起こされ、バッグを抱えてわけのわからぬままにバスに乗せられ、真っ暗の中をバスで移動し、タンピンで待機している別の列車に乗り込むという、ツイテない行程を取らざるをえず、再度チャレンジとなった次第。(写真はKL)
最大の課題、それはデジカメの充電