鉄道小バザールとは、
サラリーマンによる海外乗り鉄っちゃんの記録集です。
アジア鉄道横断・コーカサス鉄道横断のついでにポーランドに寄ってきました。ダークツーリズムの場所として知られるアウシュビッツ・ビルケナウにも行ってきました。
初掲載:2020年4月 Last Update:2020年4月
ワルシャワ中央駅 |
クラクフ中央駅 11:26 | EIP5312 293q | 1等 119PLN |
クラクフ中央駅 8/23 11:37 | オシフィエンチム 13:14 | R34407 64q | 18PLN |
クラクフ中央駅 |
ヴィエリチカ 07:21 | KLM33208 14q | 3.5PLN |
クラクフ中央駅 |
クラクフ空港駅 15:26 | KLM33344 12q | 9PLN |
1PLN=26.8JPY(2019年8月当時のレート) |
台北のようなワルシャワ中央駅へ
旧王宮前のホテルをチェックアウトしてトラム・地下鉄を乗り継ぎ、中央エリアに到着しました。前日、トビリシからキエフ経由でワルシャワに降り立ち、夜間と早朝に旧王宮付近をうろうろ街歩き観光(?)し、これから駆け足でクラクフへと向かいます。
地下鉄駅からワルシャワ中央駅までは広場を徒歩で横切りますが、いかにも共産圏のビル(文化科学宮殿)と前衛的すぎるうりゃうりゃビルとが同居しており、苦笑い。ワルシャワ中央駅は台北駅のような正方形の建物で、地下にホームがあるのも台北駅と似ています。地上でタバコを吸って地下のホームへと向かいます。
ポーランドの新幹線に乗車
プラットホームにはこの旅行でたどってきた中央アジアと異なり、「ゴロゴロ(車輪付きのスーツケース)」の比率が多い。出張の人の割合が多いのでしょう。しばらくして東ワルシャワ駅からEIP5312号がやってきました。
EIPとはExpress Intercity Premiumの略称です。1等車に乗り込ます。偶然先頭の車両。2+1の集団見合形式で、余裕のある配席でした。8時56分、静かに出発。
フランス・アルストムの車両で、イタリアETR600系、中国の動車CRH5型と同じ系列車両です。西駅にしばらく停車して出発。ほどなく郊外にでました。時速150〜160qは出ていますが、牧草地の中を走っているので、スピード感はあまり感じません。
車内改札の後、1等についている朝食がサーブされてきました。ボリュームがイマイチだったので、朝散歩の際に買っていたサンドウイッチの残りをかじって空腹を満たしました。
車内散歩
ひと段落して車内を散歩しました。先頭の窓を覗くと、運転手が見えます。連結部分付近は荷物置き場があり、かなり充実しています。今、日本で話題になっている「外国人の大荷物のせいで新幹線での大荷物が課金される問題」も、ここでは起きない。2等車も2+2で余裕のつくり。ビュッフェ車両もありました。
車窓は牧草地と林が交互に続き、よく言えばのどか、悪く言えば単調な風景が続きます。高速走行していても、これなら高架にしなくても目が疲れない。
2時間半ほど乗車し、11時26分クラクフ中央駅に到着しました。
急いで切符を購入
EIPを降り、すぐに切符を購入し、オシフィエンチム行きの列車に乗り込みました。オシフィエンチムとは「アウシュビッツ」のポーランドでの名前です。クラクフからバスで向かうのが普通ですが、海外乗り鉄っちゃんとしては、時間はかかるものの往路は鉄道を利用することにしました。
最初のほうは線路両脇の景色隠しの鉄板が多数あったのには少し興ざめしましたが、後半は牧歌的な景色も見え、ローカル気分を味わえました。
4分遅れの13時18分にオシフィエンチム駅に到着。遠くに古い電車を見つつ、駅前に出ました。さっさと白タクを捕まえ、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館に向かうことにしよう。
ヴィエリチカ岩塩坑に行こう
朝早く旧市街のホテルをチェックアウトして世界遺産「ヴィエリチカ岩塩坑」観光のために、クラクフ中央駅に向かいます。駅のパン屋でサンドウイッチを買い、切符を買ってプラットホームへ。荷物預かり所はあるものの、まだ朝早くて営業時間外。仕方なく、リュックを抱えて列車に乗り込むことにしよう。
前日のオシフィエンチム行きとはまた異なる近郊電車でした。朝早いので、ガラガラ。30分ほどの小旅行でしたがサンドウイッチをほおばりつつ向かいます。
ポーランド鉄道の予約は簡単
とても簡単です。HP右上部で英語を選択し、日時をカレンダー等から選択し、乗降地を入力すれば列車の選択肢が出てきて等級・座席を選択。クレジットカード決済するとPDFのEチケットが出てきます。プリントアウトしてそのまま乗車しました。Eチケットに限らず窓口の普通のチケットにも距離数が印字されるのは興味深いですね。
https://rozklad-pkp.pl/en
右上の英語(EN)を選択して楽々 EIPのEチケット
各地の都市鉄道
ワルシャワ
ワルシャワには夜から朝までしか滞在予定がなかったので、ワルシャワ・ショパン空港から駅に向かう途中にある券売機で24時間有効の切符を購入しました。
購入方法がわからず、まごまごしているとお人好しのおじさんが操作してくれました。都市高速鉄道SKMのS2線に乗車して空港から市中心部へ移動しました。そして、旧王宮広場前のホテルまでは地下鉄とトラムを乗り継ぎました。夜のトラムはなかなか情緒があって、思わず「思えば遠くへ来たもんだ」と口ずさんでしまいました。
S2線で空港からワルシャワ中心街へ ワルシャワ地下鉄 地下鉄車中
トラムの先頭風景
24時間有効のチケットを使うと、地下鉄・トラム・バスが乗り放題
クラクフ
クラクフ中央駅はショッピングセンター・バスターミナルも併設されている近代的な施設です。駅前にトラムの停留所があり、旧市街を「囲み」「横断」しています。チケットは時間制・ゾーン制を敷いていて、1回買えば、有効に使えて便利です。ただ、ポーランド語を読むことができるわけなく、なかなか目的の場所にストレートに向かえず、行ったり来たりの繰り返しでした。まぁ、乗るのが目的のひとつなので、良しとしようか。
ポーランド訪問の一番の目的はアウシュビッツ・ビルケナウを訪れることでした。言うまでもなくユダヤ人が理由もなく殺されたジェノサイドの地であり、ヒロシマ・ナガサキと並ぶ人類の恥・ダークツーリズムの地です。私がどうこう言う立場ではありません。しかし、鉄っちゃんの身としては、鉄道が「有効に活用された」ことは避けることはできません。
「働けば、自由になれる」嘘っぱちだ 義足や杖までも取り上げられる ベッド
ガス室 監視塔をくぐった線路は枝分かれして…
ヨーロッパ各地からこの地に線路が続き、そして監視棟から拡がる轍は、枝分かれして敷地を埋め尽くします。その様は、まっさらの、この青空のように、吹き抜ける、この風のように、なぜか、爽やかでした。悲しい。合掌。
ワルシャワの王宮広場 旧市街から旧王宮をのぞむ クラクフ駅に併設されているショッピングセンター
ヴィエリチカ岩塩坑 クラクフの中央広場