鉄道小バザールとは、サラリーマンによる海外乗り鉄っちゃんの記録集です。
哈大旅客専用線(大連と哈爾浜を結ぶ高速新線)が開業する前に、旧南満州鉄道の面影が残る路線を旅したくて、中国東北部を訪ねました。
初掲載:2012年12月 Last Update2020年11月
5/1 | 旅順(16:25) | 大連(18:14) | 6332次普通 | 61km | 4.5元 |
5/1 | 大連 (21:54) | 哈爾浜(翌07:28) | T261次特快 軟臥(上舗) | 946km | 337元 |
5/2 | 哈爾浜 (13:35) | 長春 (15:28) | D174次動車 2等座 | 246km | 72元 |
5/3 | 長春(11:09) | 瀋陽北( 13:33) | D102次動車 1等座 | 300km | 105元 |
5/4 | 瀋陽北 (15:15) | 北京(20:11) | D20次動車 1等座 | 703km | 248元 |
5/5 | 北京南 (06:45) | 天津 (07:23) | C2201動車 特等座 | 120km | 94元 |
1元=13.038日本円(当時のクレジットカードレート) |
開放後の旅順駅のホームに立つ
NHKが2009〜2011年に放送した「坂の上の雲」で話題になった旅順から乗り鉄を開始。以前は外国人の観光を制限していたが、ドラマの影響か、放送開始直前に制限がかなり解除されたとのこと。
祝日(メーデー)ということもあり、大連市民も数多く旅順観光に来ていました。旅順港近くの白塔山から見えたので簡単に行けると思ったところ、道に迷い、やっとの思いで旅順駅にたどり着いた。
1つの窓口に人々が集中し、やっとの思いで切符を購入。1日に2往復ということもあり、切符売り場を複数設けることは無駄という考えもあるが、購入開始時刻を早めるなど、もう少しうまく人をさばけないかなぁ、と思ってしまう光景でした。
ちなみに、旅順・大連間は1日2往復しかありません。
児玉源太郎はこの風景をどう思うのか
列車はゆっくりと北東へ進む。遠くには大きなマンションの建設現場が見える。
坂の上の雲によると、児玉源太郎は厳冬の鉄路を、乃木希典を叱咤激励すべく必死の思いで進んだ。線路沿いに戦争で死んだ方の亡骸を埋めたと司馬遼太郎の本にあったが、その遠方に見えるマンション建設現場を、もし児玉源太郎が見たらどういう思いをいだくだろうか、とふと感傷的になった。
大連駅に到着
途中、空港近くの周水子駅付近で飛行機の着陸風景を車窓から見る。その後、満鉄の車両製造工場であった沙河口を通り、近代的な大連駅ホームに降り立つ。駅舎は上野駅に似たフォルムとして有名で、昭和12年に完成した。
D174次は2編成の16両で運転。高速鉄道の開通前なので在来線を走ることになる。在来線とはいえ、中国幹線の保線状態は大変良好で、車内電光掲示板によると時速154キロで走行していた。
2等車に乗った。車内は中央に全体が向かって座る、いわゆる集団見合い型。座席前のモケットをはじめ、日本の新幹線普通車座席よりも安普請の印象はぬぐえません。空いているところと混んでいるところが極端で、座席販売のノウハウは日本とは雲泥の差がある。
工事中の長春駅に到着
在来線ホームに到着。奥に工事真っ最中の高速線用ホームが見え隠れする。これで夏(発表されていた2012年7月15日)に間に合うのかと思ったら、日本に帰ってきて、また延期になったことを知る。駅舎は十数年前に既に改築されており、南満州鉄道の面影は微塵もなかった。
天津へは北京南駅から
中国へはマイレージのタダ航空券を利用しました。帰路は唯一席の空いていた天津発名古屋行のJAL便に乗ることになった。
15年前に天津から北京に移動した際は2階建ての列車(在来線)だったが、今回は北京南駅発の高速専用線での動車を利用することになり、城際列車(都市間列車)の進歩が味わえればと考えました。
北京南駅はUFOのお化けのような前衛的な駅で、北京オリンピックの際に、以前とは比較できないほどの規模となった。ちなみにこの駅は上海方面のD列車・G列車(ともに新幹線)の始発駅でもあります。
自動改札でプラットホームに
少しばかり天津観光もしようと、6:45発のC2201次に乗ることにした。前日夜に北京南站に到着した際に予約をしたが、この距離(120km)でもパスポート提示を求められ、切符にパスポート番号を打ち込むのには閉口した。
さすがにこの規模となると、ホームごとに自動改札のシステムとなる。CRH3型の和諧号が何本もホームに並ぶ姿はとても壮観。(右端は自動券売機だが、日本人はいわゆる(中国の)身分証明書がないので、使えない)
右側写真は備付雑誌から
買って失敗?特等座
2年前に蘇州・上海間でCRH3に乗車した際、特等座に乗ると運転席丸見えの席だったこともあり、近距離でそれほどの価格差もないことから、今回は特等座を確保した。
しかし、運転席は擦りガラス越しとなり、全く眺望は望めなくなった。ネットで知ってはいたが、「ひょっとして・・・」と淡い期待を抱いたものの、そう都合よくはならなかった。30数分間、8席しかない特等座で一人ぼっちで沿線を眺めていた。
最後部になると、曲線に引きずられ、ブラインドもこんな隙間。ジャパンクオリティーとは比べものにならない。
席と壁の隙間もこれだけある。あら捜しをしているわけではないが・・・。
38分後に天津駅に滑るように到着。
<追加情報>
哈爾浜・大連間の高速鉄道が2012年12月1日にようやく開業しました。冬ダイヤと夏ダイヤの2種類あり、哈爾浜・大連間921kmを冬は200km/時、夏は300km/時の最高速度で駆け抜けます。使用車両はCRH380Bで、ドイツICEの現地バージョン(パクリ)となり、上述のCRH5型とは異なるようです。(2012年12月追記)
中国語のフリーメールのアカウントを入手(G-mailは、グーグルと中国が仲が悪いので避けたほうがいいとのこと。どこまで確かかはわからないが、リスクを避ける意味で。Hot-mailは文字化けするらしい。それなら中国のフリーメールアカウントを入手となった。網易Net Easeが有名。)
結論は、うまくいきませんでした(私の理解不足が原因の可能性も高い)。中国語の知識が乏しく、何度やってもうまくいきませんでした。日本でもペイジー(Pay-Easy)を利用したことのない私がトライすること自体が無謀だったのでしょう。もし、うまくいく方法があれば、ご連絡いただければ幸いです(できればこのHPでも紹介できればと思っています)。
結局は前述の日通ペリカンネットトラベル北京店で予約を依頼しました。おそらく、日通ペリカントラベル北京店さんはこの12306を使って鉄道切符の予約をしていると推測します(中国で予約・決済を代行している構造ですね)。ちなみに12306の切符の販売は12日前からできます。逆に言えば、混む時期は、12日以上前に日通ペリカントラベルネットに予約を依頼することが必要と言えます。
満鉄が運営する特急列車で、大連・哈爾浜間946kmを12時間30分で結んでいた。
そのうち、大連・新京(長春)間を「パシナ」が牽引していました。当時の世界最高峰の設備(冷房もあった)を備えていた、当時のアジアの超特急列車。
鍵がかかっていて、途方に暮れていたところ、日本の熟年夫婦が連れているガイドが建物の中に電話をかけ、開けてもらったところを便乗させてもらった。
室内は撮影禁止と、どのガイドブックも書いてあったが、熟年夫婦が説明中に写真をとっていることをいいことに私も写真を何枚か撮りました。
快速電車
大連から隣の駅まで乗る。普通の都市電車。降車した駅にIKEAがあるのには少々驚いた。