鉄道小バザールとは、サラリーマンによる海外乗り鉄っちゃんの記録集です。
フェアバンクス(08:30) | デナリナショナルパーク(12:15) | マッキンリーエクスプローラー号 (Westour<当時>の観光車両) |
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デナリナショナルパーク(12:30) | アンカレジ(20:30) | |||
1USD=100.00円(1994年8月当時のレート) |
これが駅?
前夜遅く、ホエールウォッチングや氷河ツアーで有名なガスタバスというところから、ジュノー・アンカレジ経由でフェアバンクスに到着しました。この街は北緯64度で、もう少しで北極圏。午前6時に起床して、バンで駅へと向かった。駅舎はあるものの、プラットフォームは、道路と区別がつきにくいつくりだ。ガイドに誘導されるまま、列車後部の車両に乗り込む。(上部左写真が玄関側で上部右が裏側。わかりにくいが、実は奥の建物との間に線路がある)
8時30分に出発
8時30分、静かにフェアバンクス・デポ(駅)を出発。乗り込んだのは、一般車両の後部に連結された旅行会社WESTOURSのMcKINLEY EXPLORERという車両。座席は2階にあり、窓枠以外は全てガラス張りで、景色を見るのに大変都合よい。1階は食堂車になっている。
早朝に起床してそのまま列車に乗ったこともあり、階下におりて朝食を摂ることにしよう。
カミさんはフレンチトースト(7USD)、私はスクランブルエッグとソーセージ(8USD)の朝食を注文する。下のフロアなので景色がいまいちだが、少しだけ優雅なひと時を過ごす。
車両付けのガイドがマイク片手に沿線を説明しているが、理解できるほどヒアリング力はない。車両ごとにある土産物スペースで列車・沿線ガイドを購入し、それをパラパラめくりながら、車窓風景を楽しむことにしよう。
列車は川沿いをくねくねと進む。ビーバーのダムが見える。
午後0時15分、定刻通りにDenali
Park Station到着。列車についているタラップを使ってホームに降り立つ。預けた荷物はホテルに直接入れてくれるとのことで、身軽だ。ここで2泊して、国立公園を満喫することにしよう。
2日後、アンカレジに向け再出発
昼過ぎにデナリ・ナショルパーク駅に向かう。2日前の続きをこれから始めることになる。視界を遮るものがないので、到着した列車の先頭から最後尾まで首をぐる〜と回すと見渡すことができる、爽快な気分だ。「TANANA(川の名前)」という名称がつけられた車両に乗り込む。
川の蛇行に沿って列車が走るので、まさにワインディングロードを進む。隣の車両は一般車両なので窓が開く。写真・ビデオ撮影にぴったりだ。また、ドア部分は喫煙スペースになっているのでほっとする(1994年当時の話で、現在は喫煙できるかどうかは不明です)。
カミさんは、午後のまったりした時間をパズル本を解いたり、ぼ〜と車窓を見つつ、うつらうつらしている。沿線ガイド本によるとHonoluluという地点を過ぎる。地元の炭鉱者が暖かいことを願って名付けた、いわばアラスカンジョークの土地だ。しばらくしてハリケーン渓谷の橋を渡る(右下の写真はパンフレットからの転写)。
タルキートナに到着。デナリパーク・アンカレジ間で一番大きな町だ。ここは植村直己氏が最後の登山(マッキンリーで遭難し、還らぬ人になった)の際に訪れた町としても有名だ。別の地点でNortth
Bound(北行き)の列車とすれ違う。
夕暮れの午後8:30、アンカレジ駅到着
緯度が高いので、夏の期間、この列車は太陽が昇っている間に走りきる。午後8:30、アンカレジ駅に到着。ホームに降り立ち、大きく背伸びをする。夕日に照らされた列車は何故か走り終えた満足感を帯びていて、やけにまぶしい。
ホームページで予約するのがベストでしょう。http://alaskarailroad.com/ 乗車当時は一般座席車両の他は、本文にあるような、特別車両を牽引する旅行会社に申し込むパターンが主流でした。
私自身は旅行会社が企画したツアーに申し込み、オプションとしてWestourがしつらえている特別車両「マッキンリーエクスプローラー号」に乗った訳です。現在では、本家アラスカ鉄道会社も、Goldstar
Serviceという、完全2階建ての特別車両によるサービスを実施しています。
アラスカ鉄道とは…
2015年現在、フェアバンクス・アンカレジ間は「デナリ・スター号」という、カッコいいネーミングがされていますが、1994年当時は、そんなしゃれた名前はありませんでした。
当時は、両方とも午前8:30出発、到着も午後8:30と、実にわかりやすいものでした(2015年現在は午前8:15フェアバンクス出発、午後8:00アンカレジ到着)。
この鉄道は、フラッグストップ(Flag Stop)という制度が今も残っています。キャンパーやハンターが、駅のないところで降車し、再び乗り込む際、白い布を振って止めてもらう制度です。